エクステンションプログラム

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インタビュー

イノベーションを起こすために課題解決力を高める

久野 譜也
筑波大学教授(体育系)/スポーツウェルネス学学位プログラムリーダー/SWC 政策開発研究センターセンター長

ーー 筑波大学スマートウエルネスシティ政策開発研究センターを立ち上げた背景について教えてください。

久野 この研究センタ—は筑波大学の東京キャンパス、丸ノ内線の茗荷谷駅という、国の政策に関わる霞が関や永田町等に非常に近い位置にあります。またここにいる教員の多くは、スポ—ツや健康政策に関わる研究をやっているという特性もあります。

ここをさらに強化したいという想いと、社会人大学院という特殊性から産学連携の中でより実際的な、そしてイノベーションにつながるような政策研究を行いたいという思いで、この研究センタ—を立ち上げました。

ーー プログラムを開講する背景と意義を教えてください。

久野 まず筑波大学の東京キャンパスは、いわゆる社会人の大学院というのが特徴です。われわれのスポ—ツウエルネス学学位プログラムは修士、博士の両方を備えています。修士に関してはちょうど20年、そして博士に関しては6年という教育期間が経ちました。われわれは社会人教育、リカレント教育の経験を培ってきました。これまで多くの企業の方や自治体の方などが、われわれの門をたたいていただいて、より高度な職業人として巣立っていただいています。

企業の経営者層や自治体の首長さんたちと意見交換をする中で、もちろんこれからも修士、博士へ人を送り研鑽を積ませたいという思いもありますが、やはり一定の期間がかかり、現実的にはハードルが高いというお声を聞いていました。

その中でエクステンションというやり方で時間的な制約のハードルを下げて、その代わりに最先端の知見、そして何よりもいま大事なのはイノベーションを起こすための課題解決カを高めるために、そこに特化した教育や経験、そしてわれわれ教員とのヒューマンリレーションを作っていく、そういう場が何よりも必要だということで、このセンターが中心になり立ち上げることになりました。

ーー スマートウエルネスシティの実現に必要な高度専門人材について教えてください。

久野 皆さんお分かりのようにいま我が国は、少子高齢化です。特に高齢化部分では超高齢化社会です。これが2040年まで必ず続くわけです。

ここからさまざまな社会課題が生まれます。あるいはもう生まれて、課題が大きくなっています。例えば、社会保障の持続性という問題もあります。

最近の研究ではっきりとしたことは、都市環境そのものが人の健康や幸せに大きく貢献するということです。またスポーツももちろんですが、やはり人を感動させ、そして仲間を作り、つながりを持って寄与していきます。この掛け算です。スポーツ、健康そしてまちづくり、こういう掛け算をしていくのが、スマートウエルネスシティです。「このまちに住むと自然と健幸になってしまう」というまちを全国に広げるというポリシーでわれわれは進めています。

これを理解していただく人材を産業界や自治体、行政、それ以外の領域の多くに作ることによって、この社会課題を加速的に解決していくことを、われわれアカデミア側も貢献をすべきだと強く考えています。

われわれはそれに資するだけのリソースを東京キャンパスに準備できていると自負しておりますので、ぜひ多くの方にチャレンジをしていただきたいと思っています。

ーー どのような方に参加していただきたいですか?

久野 スポーツ領域、健康領域、まちづくり領域に関わられている企業の方、自治体の方、NPO、あるいは、競技団体なども単なる競技力向上だけではなく、いかに地域と関係しながら貢献してくかということを模索されていますので、そういう観点の仕事に興昧ある方がより高度になっていく。

われわれはある面でエリー卜を養成しようということで、一定の経験を持ってさらに飛躍されたいという人材を求めています。

最後にエリー卜という言葉を使ったのですが、一流大学を出たり、一流企業に入ってやることだけが、決してエリー卜ではありません。「社会に対して責任を持てる人」をわれわれはエリー卜と言います。

責任を持てるというのは、気持ちだけではだめで、やはり具体的な課題を解決して、社会をより良くしていく、前進させる、そこに貢献する人材です。

そこに熱い志を持つ方々にお集まりいただきたいと思っています。

ーー このインタビューをご覧になっている皆様にメッセージをどうぞ。

久野 このエクステンションのプログラムは、われわれ教員も中に飛び込んで、一緒になって現実の課題を解決する方策を追求していきます。ぜひ多くの皆さんにチャレンジしていただければと思います。